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日本神経治療学会事務局

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総会案内

 2013年11月の第31回日本神経治療学会(東京)におきまして伝統ある本学会の理事長にご指名頂き、大変光栄に感じますと共に、その重責に身のひきしまる思いであります。この機会に、これまでの本学会の歩みを振り返り、現在抱えている課題を見つめ、今後について考えてみたいと思います。

 神経治療に特化した国際的にも極めてユニークな日本神経治療学会は、基礎研究の展開を待つのみならず症例報告も含めて臨床現場での治療に関するちょっとした工夫やアイデアなども重要で、“治療上の諸問題をテーマの中心において、広く意見を交換する場や深く検討する機会”を作ることを目標に、1983年に神経内科治療研究会として発足しました。その頃の機関誌は“神経内科治療”であり、そこには“神経内科治療に対する知識の普及と日常診療における実践に役立つよう心がける”ことが記されていました。1992年に日本神経治療学会へと発展し、平山惠造先生が初代理事長に就任されました。それと共に、機関誌も“神経治療学”へと誌名も変わり、“薬物投与はもとより、看護やリハビリテーションに至るまで神経学的基盤に立つ特異性を持ち、さらには神経内科の周辺領域との密な連携、更にはそれを包含した大きな視点に立った神経治療を目指す。そして神経症候学、神経診断学、神経治療学のトロイカ方式で二十一世紀における隆盛に向けてひたむきに走る”ことが謳われました。その後、神経疾患の治療に関する知見も増加し、第二代理事長の髙橋和郎先生は“神経治療は遺伝子治療からリハビリテーションまで多岐に渡り、かつ、手法も高度となり、従来、治療法に乏しいといわれてきた神経疾患にも次々と新しい治療法が開発されつつあり、治療という形で患者の要望にこたえて初めて神経学はその目的を達成できること、また神経学が症候学から治療学へと重点が移ってきて”おり、“日本神経治療学会の存在意義もここにある”と述べておられます。他学会に先駆けて神経疾患の治療ガイドライン作成について議論が開始され、治療指針作成委員会が立ちあげられて取り組みが進められることになりました。また、本学会のポリシーとして“より良い治療を求めて、より広い領域との連携”が謳われ、行動目標として“1. 神経疾患の治療の更なる充実のための臨床研究、2. その結果の臨床医へのフィードバック作業、3. 新しい治療の発見のための共同研究活動”が示されました。さらに、米国のASENT(American Society for Experimental NeuroTherapeutics)との交流も始まりました。

 311名で始まった本学会員数は田代邦雄先生が務められた第三代理事長の頃には2,000名を超え、16題の一般演題で始まった研究会・総会で発表される一般演題数も200題と発展してきました。その一方で、本学会の独自性をどのように確立していくかということが課題の一つとなってきました。第四代理事長の糸山泰人先生は、本学会の重要活動の一つとして“創薬”への取り組みを進められました。神経治療開発における世界的な情報をいち早く取り入れ、我が国における産・官・学の有機的な機能協同に本学会が取り組んでいく必要性を示されました。一方、総会における神経治療に関する教育プログラムの充実も重要視されるようになってきています。このように本学会は発展してきておりますが、これらは歴代理事長・理事・評議員を始め本学会員の皆様のご努力によるものと考えます。

 本学会は、他領域やコメデイカルの方々など多方面との連携を基に、疾患のみならず病める患者を治す姿勢を持った神経治療学を目指し、創薬を始めとした新たな神経疾患治療開発研究への貢献、神経治療のエビデンス創出に向けての臨床研究や神経治療に関する調査活動、それらの成果の臨床現場へのフィードバッグや治療ガイドライン・治療指針の作成を行って神経治療学の普及や啓発を進めていくと共に、若手医師や生涯教育の一環としての神経治療学教育の一層の充実なども求められていると思います。理事・評議員・会員の皆様のご意見をお聞きしながら、本学会が独自性を持ってさらに発展していくよう努力していきたいと考えておりますので、何とぞ宜しくお願い申し上げます。

2013年12月

日本神経治療学会理事長
中島 健二

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