- HOME
- > COI(利益相反関連文書)
- > 日本神経治療学会利益相反(COI)に関する運用指針
COI(利益相反関連文書)
日本神経治療学会利益相反(COI)に関する運用指針
2020年10月28日改正
(趣旨)
我が国では、科学技術創造立国を目指して1990年代後半から科学技術基本計画が策定され、国家戦略として産学の連携活動が強化されてきた。科学技術の進歩に伴い、産学連携による医学系研究は世界的な潮流であることも事実である。産学連携による医学系研究が盛んになればなるほど、公的な存在である大学や研究機関、学術団体が、特定の企業の活動に参加することは不可避の状況となっている。その結果、教育、研究という学術機関、学術団体としての責任と、産学連携活動に伴い生じる個人の利益とが衝突・相反する状態(利益相反, conflict of interest: COI)が必然的・不可避的に生じてきた。この利益相反状態を日本神経治療学会が適切に管理(マネジメント)して、初めて学会員が国民に信頼される教育・研究・診療活動を行うことが可能になる。
日本神経治療学会としては、内科系関連14学会の連携による「医学系研究の利益相反(COI)に関する共通指針(以下「共通指針」という)」に基本的に則り、本学会における運用面での指針を定めることとした。
第1条(COI状態の自己申告)
自らのCOI状態の自己申告による開示に関しては、共通指針で掲げる「対象者」、「対象となる活動」、「申告すべき事項」に準じる。
第2条(役員や委員等のCOI自己申告書の提出)
- 1.
- 前条に掲げる対象者のうち、役員および理事会が特にマネジメントが必要とされる「対象者」として定めた委員会の委員長および委員(以下「委員等」という)は、COI状態の有無について「COI自己申告書」(様式1)に記載の上、理事長に申告しなければならない。
- 2.
- 前条に定めるCOI自己申告書には、役員や委員等に就任する際に、過去1年間のCOI状態を記載して本学会事務局に提出する。
- 3.
- 役員や委員等に就任した後、COI状態に変更が生じたときは、COI自己申告書を提出するものとする。
第3条(学会誌等への投稿時の届出事項)
学会誌「神経治療学」に投稿の際に著者全員は、発表内容に関係する企業・組織や団体との投稿時から遡って1年間のCOI状態の有無を、本文末尾(様式2-1あるいは様式2-2)に記載する。
第4条(学会等発表時の開示方法)
学術大会で一般演題発表の際は、演題登録画面で抄録提出前1年間の筆頭演者のCOI状態について(申告すべきCOIは)「ない」もしくは「ある」のチェックを入れ、「ある」の場合には、筆頭演者の「COI申告書(様式3)」を演題発表までに、学術大会事務局に送信する。
すべての筆頭発表者は、発表内容に関係する企業・組織や団体との過去1年間のCOI状態の有無を発表の際に、発表スライドの最初(様式4−A,4−B)に、またポスターの末尾(様式4−C)に記載する方法で開示する。発表スライドは保存しない。
第5条(自己申告書の取り扱い)
- 1.
- 第2条の規定により提出されたCOI自己申告書は、COI委員会で必要に応じて審議する。
- 2.
- COI委員会は、審議の結果について理事長に報告する。なお重大なCOI状態にある自己申告については、その対応についてCOI委員会で意見を付して報告する。
第6条(違反者に対する措置)
COI状態における自己申告の内容が当指針に違反する場合には、COI委員会は十分な調査とヒアリングを行い、適切な処分案を作成し理事会に報告する。
第7条(不服申立て)
不服申立ての審査請求を受けた場合には、理事長は不服申立て審査委員会(理事長の指名する本学会会員若干名と外部委員1名以上により構成される。委員長は委員の互選で、COI委員はその委員を兼務できない)を設置する。委員会は審査請求を受けてから1ヶ月以内に委員会を開催し、審査し、その答申書を1ヶ月以内に理事長に提出する。
第8条(COI自己申告が必要な基準)
- 1.
- 医学系研究に関連する企業・法人組織の営利を目的とした団体(以下「企業・組織や団体」という)の役員、顧問職については、一つの企業・組織や団体からの報酬額が年間100万円以上の場合とする。
- 2.
- 株式の保有については、一つの企業についての1年間の株式による利益(配当、売却益の総額)が100万円以上の場合、あるいは当該全株式の5パーセント以上を保有する場合とする。
- 3.
- 企業・組織や団体から特許権使用料については、一つの権利使用料が年間100万円以上の場合とする。
- 4.
- 企業・組織や団体から、会議の出席(発表)に対し、研究者を拘束した時間・労力に対して支払われた日当(講演料など)については、一つの企業・団体からの年間の講演料が合計50万円以上の場合とする。企業・組織や団体から、会議の出席(発表)に対し、研究者を拘束した時間・労力に対して支払われた日当(講演料など)については、一つの企業・団体からの年間の講演料が合計50万円以上の場合とする。
- 5.
- 企業・組織や団体がパンフレットなどの執筆に対して支払った原稿料については、一つの企業・組織や団体からの年間の原稿料が合計50万円以上の場合とする。
- 6.
- 企業・組織や団体が提供する研究費については、一つの企業・団体から医学系研究(治験、共同研究、受託研究など)に対して支払われた総額が年間200万円以上の場合とする。
- 7.
- 企業・組織や団体が提供する奨学(奨励)寄附金については、一つの企業・組織や団体から、申告者個人または申告者が所属する部門(講座・分野)あるいは研究室の代表者に支払われた総額が年間200万円以上の場合とする。
- 8.
- 企業に属する者または企業・組織や団体が提供する寄附講座などに申告者らが所属している場合は、次のとおりとする。
a) 企業(製薬メーカーなど)に所属する研究者(非医師・医師ともに)の場合は、所属する特定企業・部署名を明記すれば、COI申告書の提出は必要なし。 b) 企業(製薬メーカーなど)に所属する研究者と大学などの研究者との共同研究の場合は、企業に所属する研究者以外の研究者のCOI申告書の提出が必要である。 - 9.
- その他、研究とは直接無関係な旅行、贈答品などの提供については一つの企業・組織や団体から受けた総額が年間5万円以上の場合とする。
ただし、本条第6号並びに第7号については、筆頭演者個人か、筆頭演者が所属する部門(講座、分野)あるいは研究室などへの研究成果の発表に関連し、開示すべきCOI関係にある企業や団体などから研究経費、奨学寄附金などの提供があった場合に申告する必要がある。
第9条(COI委員会と各種委員会等との連携)
この指針による運用に当たって、COI委員会は編集委員会等各種委員会、学術大会事務局と緊密に連携する。
第10条(運用指針の変更)
この運用指針は、定期的に見直しを行い、必要に応じて改正するものとする。
本指針の改正は理事会の議を経て、社員総会で承認する。
附則
- 1.
- 本運用指針は2012年12月1日(学術集会終了翌日)から2年間を試行期間とし、その後に完全実施する。なお指針違反者に対する措置も2年間は会員への周知期間とし、社員総会で議決後、当該会員に注意・勧告を行う。
- 2.
- 現に在職している役員および委員等が、第2条の規定に基づき提出しなければならないCOI自己申告書は、本指針施行後速やかに提出する。